スマイル18・王様子供を守る

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  「サトル、大丈夫だからな。俺がついてる。怖がらなくていい」  王雅が優しくサトル君に声をかけてくれて、お母さんから守るようにして施設内に連れて入ってくれた。 「サトルの母親と話あるんだったら、俺がガキ共をもう少し面倒みとくから、気にせず話せよ」施設に入り際、耳打ちされた。 「大丈夫、もういいの」  彼女と話す事なんか、何もない。  お母さんのせいで、王雅に帰ってもらうタイミングを失くしてしまった。  まだ帰らなくても、時間大丈夫なのかしら。一応今日は予定を空けてもらうようにお願いしていたけど、迷惑になるような事は避けたいし。  それより、サトル君大丈夫かしら。随分怯えていたものね。優しく声かけてあげよう。   「おい」  私が声をかける前に、王雅がサトル君の肩を叩いた時だった。 「ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません!!」  サトル君は小さな体を震わせて、髪をかきむしり、泣き叫びながら暴れ出し始めた。 ――これは、パニックを起こしてる!  どうしよう、と思っていたら、王雅が暴れ出したサトル君を、ぎゅっと強く抱きしめて腕の中に包んでくれた。
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