スマイル18・王様子供を守る

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  「王雅も仕事で忙しいと思うけど、無理しない程度でいいから、また、少しの時間でもいいから、子供たちに会いに来てくれる? あの子たちの為に、お願い」 「美羽は?」 「えっ?」 「美羽は、俺に会いたくないのかよ」 「なっ・・・・何言ってんのよ。べ、べつに、会いたくな・・・・」  そこまで言って、慌てて口をつぐんだ。  会いたくないと言って来てくれなくなったら困ると思い、言い直した。「あ、ううん、何でもない、違うの。わ、私も・・・・王雅に会いたいわ! だから、来てくれる?」  会いたい、なんて言ってしまった。  本当の事だけど、伝えると恥ずかしいわね。  ヘンな意味に取られなかったかしら。 「お前な・・・・」  王雅はちょっと怒った顔をしたけれど、すぐに思い直して何時もの不敵な王様スマイルを浮かべた。良からぬことを考えている顔だった。 「わかった、いいぜ。お前の頼み、聞いてやっても」 「うん、ありがとう。凄く助かるわ」 「そうじゃなくて、来て欲しいっつーなら・・・・何か、礼でもしてもらいてーんだけどな」 「えっ、お礼しなきゃいけないの? ウチは貧乏だから何も無いけど・・・・来てくれたら、お茶くらい出すわよ」  
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