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「お前からのキスも捨てがたかったんだけど、礼に夕飯って言っておいて、マジで良かったー。俺のセレクト、最高―。あ、おかわりくれ。いっぱい盛って。ハンバーグも入れて」
若干ヤラしいコトを言いながら、王雅は満面の王様スマイルで夕飯をあっという間に平らげていく。子供たちも王雅に負けずにしっかりご飯をモリモリ食べている。
私は、みんなが私の作ったご飯を食べてくれるのを見つめるのが、好き。
凄く幸せを感じられるの。
楽しい時間も、嬉しい時間も、幸せな時間も、みんなと分け合って暮らしていけるこの幸せが、永遠に続けばいいのに、と思う。
王雅におかわりを入れてあげたら、他のみんなもこぞって私の方にお皿を差し出してきた。
「順番に入れてあげるからね」
みんなの分、順番にハンバーグとサラダを入れたら、ご飯のおかわりまで要求された。
王雅に触発されて、みんなの食欲がいつも以上に増してるわ。ご飯足りるかしら。何時もより多めに炊いたんだけど、この調子じゃなくなりそうね。
「美羽、メシまだある? 白飯も美味いなー。もう最高。こんな美味い飯、初めて食った!」
王雅が満面の笑みでお茶碗を差し出してきた。あら、口元にひとつご飯粒が付いているわ。
「慌てて食べなくても、まだあるから大丈夫よ。それより口元にお弁当付いてるわ」
王様の口元にくっついていたご飯粒を取って、勿体ないからそのまま食べた。「本当に貴方、子供みたいな王様ね」
思わず笑ってしまった。
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