2101人が本棚に入れています
本棚に追加
見ると、やっぱり私の心が音を立てて鳴る。
最高の王様スマイルの、王雅の写真。
ドキドキする。貴方の笑顔に。
この笑顔を見ると、私は心が乱れて、おかしくなってしまうの。
この写真をアルバムに貼るのは止めましょう。
仕事部屋の机の引き出しにでも、こっそりしまっておこう。
アルバムを開くたびに貴方を想い出して、ドキドキしてしまうのはイヤなの。
それに、もし貴方に捨てられたり・・・・ううん、捨てられる事は解っている。
こんな貧乏施設の貧乏女が、日本で屈指の大金持ちの御曹司とまともに付き合って結婚なんか出来るワケないって。
所詮、お坊ちゃまの遊びだって、すぐ思い知らされる時がくるわ。
身体を赦したら、最後よ。
だから、本気になっちゃダメ。
もう遅いかも知れない。
それでも、貴方に傾いていく私の心を、早く元に戻さないと。
今ならまだ間に合う。大丈夫。
暫く王雅はいないし、早く、何時もの私らしい日常を取り戻すの。
王様に振り回される日々は、今日でおしまいにするんだから――
最初のコメントを投稿しよう!