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「皆、お腹空いたでしょ? ゴメンねっ、すぐご飯にするから、お手伝いお願いね!」
施設内に入って時計を見ると、十一時半だった。
既にオムライスの下準備はしてあるから、後はチャッチャと卵焼いて、子供達に食事の用意を手伝ってもらおう。
コロッケを荷物持ちに持たせたままだというコトに気が付いて、私は慌ててセクハラ大王を呼んだ。
「ちょっとー、アンタも来なさいよー!」
私の声にいち早く反応してくれたガックンと、毎朝欠かさず髪を結って、ツインテールにしている可愛いガックンと同じ六歳のおしゃまな女の子――リカちゃんの二人が、セクハラ大王を連れてきてくれた。
「ミュー先生、お兄さん連れて来たよー!」
「有難う。じゃあ、皆でスプーン用意してくれる? お兄さんから包み受け取って、こっちにお願い」
皆を食堂に誘導するように二人にお願いして、私はオムライスの準備に取り掛かった。
保温の釜に入れてあるチキンライスと、温めておいた手作りのデミグラスソースを確認して、卵を手際よくかき混ぜて焼いていく。
並べた十三枚のお皿にチキンライスを均等に盛っていると、さっきのお兄さんの分は? ってガックンに聞かれてしまった。
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