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「ここはね、私の両親が一生懸命働いたお金で、建ててくれた施設なの! 孤児で辛い思いをしていた子供達や、虐待で苦しんでいた子供達が、笑顔になれる場所なの!! 幾ら大金出しても、お金なんかじゃ買えない、大切な故郷なの!! だから私だって身体張って守ってる! アンタみたいな金持ちのお坊ちゃまなんかには、この場所が私達にとってどんなに大切な場所なのかなんて、絶対解らないわ! 理解して欲しくもない!! だから、何度来ても同じよ! 帰って! 二度と来ないで!!」
口を開けば、王雅に自分のキモチが理解して貰えない事が、どういう訳か怒りとして現れた。
道楽息子に、私のキモチなんか解らなくたって、別に構わないじゃない。
こんなにムキになるのは、自分でもよく理解出来なかった。
「俺には・・・・わかんねーよ、お前の気持ちなんて。お前だって俺の気持ち、わかんねーだろ。・・・・また来る」
「二度と来ないで!!」怒って王雅を追い出した。
そうよ。もう二度と来ないで。
便利屋がいなくなってしまうのは残念だけれど、平穏なこの生活にこれ以上波風立たせないで。
王雅。貴方には、もう二度と会いたくない。
何度来ても結果は同じなんだから、もう私の事は放っておいて。施設のことは諦めてよ。
この施設は、誰が何と言おうと、絶対に手放さないんだから!!
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