スマイル1・王様をビンタで成敗

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 まあ丁度いいから、店での源氏名も美幸にして、ミューちゃんと呼んでもらう事にした。  慣れてないから別の名前で呼ばれても、うっかり忘れてしまうだろうしね。  私は本名が美羽だから、子供達にミュー先生とか、他の人にもミューちゃんって呼ばれることが多いから。  私は、わざと野暮ったいメイクと巻き髪で店に出る事にした。  店に化粧道具や髪を巻く用具等が、利用できるように置いてあって助かった。何も持ってきて無いし、とりあえず適当に借りて、入店時間までに腰より上くらいのストレートの地毛をまとめて巻いて、自分でちゃっちゃと仕上げた。  ダサい方が男受けもしないから、これでいいや。  どーせ今日で辞めるし。  気合入れて綺麗にしてお客に気に入られて、万が一でも店に残らないか、とか引き留められても困るもんね。  店から辞めてくれって言われる方がいいわ。ダサい女なんて、こんな高級なクラブには必要ないでしょ。  さあ、五千円よ、五千円!  一万円貰えるならもっと有難いけど、時間的にちょっと難しいから五千円。  高望みしちゃいけないわ。  五千円の為に、私は愛想を振りまく事にした。  
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