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「おいっ! こんな熱いの触れるかっつーの!!」
蛇口いっぱいひねって、じゃあじゃあ水を出し、手を冷やしながら文句を言ってきた。
「簡単じゃねーかって言ったでしょ、お水もったいないから早く止めてね」
水道代がかさむでしょー。
無駄遣いは禁止よ。禁止。
じゃあ頑張ってね、と声をかけて、私は別の準備に取り掛かった。
外に出るとテーブルは殆ど子供達が頑張って運んでくれていたから、設置するだけで良かった。
近所のお母さんが、紙皿や紙コップを持ってきてくれるって言ってたから、とりあえず施設にある食器と、持ってきてくれるもので足りそうね。買い足さなくても良さそう。
飲み物も用意して、外の準備を終わらせてキッチンに戻ると、王雅が一人で一生懸命おにぎりを作っていた。
お世辞にも見た目は綺麗とは言えないけど、四苦八苦しながら一生懸命王様が作ったおにぎりは、きっと美味しいと思う。
王様も、頑張れるのね。
何か、かわいい。
長身の王様が、子供みたいに見えてかわいいって思っちゃうなんてね。変なの。
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