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着崩れた寝間着である浴衣の襟を正し、のろのろとクロに渡された羽織を着た。
『先程見掛けた時、久遠様は境内にて、一ツ目の小鬼と戯れておられました。食糧問題の代償に、種の保存の為に情報提供をと。後10分程で片付くかと』
その後ろで、ギンが布団を畳みながら、応えた。
「怨鬼兄様は?」
『怨鬼様は何時も通りの時刻に起床されて、何時も通りの朝の支度をされ、何時も通り、御務めを始められております』
怨鬼兄様は、何時も通りらしい。
「そう。母様は?」
『光様も何時も通りの時刻に起床されて、何時も通りの朝の支度をされてました。あ、棗様がいらっしゃると仰っていました』
「そう。」
母様は、何時も通りだったが、希子小母様に逢うらしい。
逢いたいけど、それまでに全部終わると良いな。
『主人、終わりましたよ』
「じゃあ、朝ご飯だね。」
襖を開け、廊下を歩けば、雇用関係に有る九十九神達が自分達が消えない様に、仕事を始めていた。
「おはよう。」
『おはようございます、姫様』
『朝餉は若布と豆腐の御御御付けに、碓氷様に頂いた荒巻鮭ですよ』
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