+01.天才と天災。

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『早く席にお座りくださいまし』 声を掛ければ、次々と声が返って来る。 「頂きます。」 「おはよう、紫縁(しゑん)」 「母様、おはよう」 「 「希子(きこ)が来るけど、どうする?」 「希子(きこ)小母(おば)様が帰るまでに帰って来れたら、逢う。」 「何処か行くの?」 「色んなのに呼ばれた。」 「異世(ことよ)の何処?」 「高天ヶ原(タカマガハラ)と、逢魔ヶ原(オウマガハラ)。」 「そう。あ、天目一箇神(マヒトツ)に遭ったら、私の神刀(しんとう)が刃毀れしたから、直してって言っといて」 「(れん)兄様?逢えるかな?」 「御手紙書けば良いじゃない」 「母様が書いて飛ばせば良いでしょ。」 「紫縁(しゑん)が書いた方が喜ぶわよ」 「ご飯終わったら書く。」 洗面所で歯磨きをして、顔を洗って、身を清めて、自分の部屋に戻って足袋を履いて、白衣(びゃくえ)に紅色の差袴(さしこ)を身に付けて、 「何て書けば良い?」 「神刀直して、で良いんじゃない?」 「 「     
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