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そう言いながら、象の頭を擦った。すると象は反り上げるのをやめて若干、嬉しそうにみえた。
なに?これ・・・。
「うん?貴女は私が見えているんですか!?」
「・・・はい」
「なんと!」
驚いている。なんで?象に乗ったおかしな人を見かけたから声をかけてるのに、見えてることがおかしいの??
あれ?待って・・・この象に人が跨ったスタイルどこかで見たよね?
い・・いや、結構馴染み深くない?
───まさかね?
「そういえばあなたは毎朝、私の周りを綺麗にして下さっている」
───いや、いや、だからまさか…!
「私は帝釈天」
ひ、ひょえーーーっ!!!
まさかと思ったことが的中しちゃったよー!!
しかも自分から名乗り出したよー!
さっきの仏像が動いていたり、天井飾りが揺れたりしたのも降りていらっしゃる兆候だったんだ。
「帝釈天様・・・いつもお世話になっております」
私も何を言っとるんじゃい!そんな状況!?もっとパニくってもいいでしょ!
「おはよう、麗ちゃん」
声のする方を向くと、社務所にパート勤務している早見さんだった。
「早見さん、おはよう。ねぇ、見える!?」
私は象と帝釈天を指さした。
「・・・何も見えないけど、どうしたの?」
「あ、そうなんだ。なんでもない」
早見さんは不可思議な顔をしながら社務所へ入っていった。
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