1人が本棚に入れています
本棚に追加
第一話 剣奴と姫君
1 コロッセオ・闘技場
大きなコロッセオ(イメージはローマのコロッセオ)。
民衆が会場中に溢れ、すし詰め状態。
民衆1(声)「イスブルグ帝国万歳!」
民衆2(声)「皇帝ロクーラ様に栄光あれ!」
※ ※ ※
コロッセオの貴賓席。
ロクーラ、前に立ち、観客に笑いかける。
ロクーラ「先日、我らが祖国イスブルグ帝国は、輝かしい勝利をまた一つ掴んだ。これで、近隣大陸のほぼ全てが我が国の支配下となった」
※ ※ ※
民衆、喜びに湧き上がり、叫ぶ。
ロクーラ(声)「イスブルグの民衆たちよ。今日は日々国のために尽力する君たちのために、労いの宴を用意した」
※ ※ ※
コロッセオ、闘技場。
向かい合わせの扉がゆっくり開く。
※ ※ ※
ロクーラ、扉をじっと見つめる。
ロクーラ「共に、宴を楽しもう」
※ ※ ※
ロクーラの見つめる扉から、剣を持ち、仮面をつけたオンラードが出てくる。
民衆、大歓声。
民衆3(声)「すげえ! ファスマだ!」
民衆4(声)「ファスマて、あの!?」
ロクーラ「一年ほど前に現れて以来、全ての試合で勝利をおさめる無敵の剣士、ファスマ! 今日も素晴らしい試合を見せてくれることだろう」
民衆、大歓声。
ロクーラ、観客席に笑顔。
ロクーラ「勿論、相手にも相応の者を用意した」
ロクーラ、反対の扉を指す。
※ ※ ※
扉、暗闇のまま数秒の静寂。
監視員1(声)「(悲鳴)ぎゃあああああ!」
扉、中から血が吹き出る。
最初のコメントを投稿しよう!