第一話 剣奴と姫君

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第一話 剣奴と姫君

1 コロッセオ・闘技場   大きなコロッセオ(イメージはローマのコロッセオ)。   民衆が会場中に溢れ、すし詰め状態。 民衆1(声)「イスブルグ帝国万歳!」 民衆2(声)「皇帝ロクーラ様に栄光あれ!」     ※   ※   ※   コロッセオの貴賓席。   ロクーラ、前に立ち、観客に笑いかける。 ロクーラ「先日、我らが祖国イスブルグ帝国は、輝かしい勝利をまた一つ掴んだ。これで、近隣大陸のほぼ全てが我が国の支配下となった」     ※   ※   ※   民衆、喜びに湧き上がり、叫ぶ。 ロクーラ(声)「イスブルグの民衆たちよ。今日は日々国のために尽力する君たちのために、労いの宴を用意した」     ※   ※   ※   コロッセオ、闘技場。   向かい合わせの扉がゆっくり開く。     ※   ※   ※   ロクーラ、扉をじっと見つめる。 ロクーラ「共に、宴を楽しもう」     ※   ※   ※   ロクーラの見つめる扉から、剣を持ち、仮面をつけたオンラードが出てくる。   民衆、大歓声。 民衆3(声)「すげえ! ファスマだ!」 民衆4(声)「ファスマて、あの!?」 ロクーラ「一年ほど前に現れて以来、全ての試合で勝利をおさめる無敵の剣士、ファスマ! 今日も素晴らしい試合を見せてくれることだろう」   民衆、大歓声。   ロクーラ、観客席に笑顔。 ロクーラ「勿論、相手にも相応の者を用意した」   ロクーラ、反対の扉を指す。     ※   ※   ※   扉、暗闇のまま数秒の静寂。 監視員1(声)「(悲鳴)ぎゃあああああ!」   扉、中から血が吹き出る。
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