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桜、キョトンと首を傾げる。
桜「なにをだ?」
オンラード「(無表情)俺に、盗賊の事を」
桜、しばらくオンラードを見つめる。
桜「(優しい笑み)ああ、聞かない」
オンラード「……なぜ?」
桜「信じているからな」
オンラード「(ピクリと反応)……信じる?」
オンラード、嘲笑を浮かべる。
オンラード「よくもまぁ、そんなことが言えたものだ」
桜、じっとオンラードを見つめる。
桜「お前は、私が信じられないか?」
オンラード、無機質な眼で桜を見る。
オンラード「……ええ、信じていません」
桜「……(苦笑い)ふふ、そう言うと思っていた。……きっと、お前は私以外のことも、信じていないのだろうな」
桜、悲しそうな笑顔。
桜「それでも、私はお前を信じているよ」
オンラード「……俺は、盗賊を殺しましたよ」
桜「……そうか」
桜、力強い笑顔。
桜「ありがとうファスマ。本当のことを話してくれて」
オンラード「(目を見開く)……なんですか、それは? 俺は、あなたを裏切ったのに、まだそんな……」
桜「言ったろう? 私はみんな信じている。だから、なにがあっても受け止める」
桜、狙いを定める眼でオンラードを見る。
桜「それに、お前は本当のことを話してくれたじゃないか。それは、お前が信頼に足る者だという何よりの証拠だろ?」
オンラード「……くだらない。そんなもの、何の根拠にもならない」
桜「……オンラード、もう少し寄れ」
桜、手招き。
オンラード「は?」
桜「いいから寄れ」
オンラード、一歩分ほど近づく。
桜、オンラードに飛びかかる。
オンラード「!(避ける)」
桜とオンラード、一メートルほどの間隔を保って硬直状態。
桜「(オンラードを睨み)避けるな!」
オンラード「(困惑)一体、何を……」
桜「抱きしめてやろうと思った」
オンラード「(驚き)な……」
※ ※ ※
廊下の奥。
陰(景義)ピクリと反応。
※ ※ ※
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