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貿易の品が集まる川沿いの商館。
桜、キョロキョロ辺りを見回す。
桜「おおおお! 始めてきた港町も凄かったが、ここも賑わっているな」
ユキカ「周辺諸国のあらゆる品が、このウルバノを経由して首都やその他の都市へと流れていきます」
桜「つまり、珍しい物が沢山あるということだな!?」
桜、前を通りかかった商人1の運ぶ包みに目を向ける。
桜「あれはなにが入っているんだ? (別の商人2を見て)あれもなんだ?」
桜、珍しい品々を運ぶ水夫を楽しそうに追いかける。
景義「アア、姫様、イケマセン!」
景義、桜を慌てて追いかける。
ユキカ、桜と景義を笑顔で見守る。
オンラード、はしゃぐ桜を見つめる。
高級そうな服装の商人3、オンラードの傍を通りかかる。
オンラード、フードで顔を隠す。
ユキカ、横目にオンラードを鋭く見る。
桜、ユキカの元に走ってくる。
ユキカ「あら? どうかなさいましたか?」
桜「なあユキカ、ここにミギの国の品は入って来ないのか?」
ユキカ「ミギの国の……そうですわね、私は存じあげませんわ」
桜「……そう、なのか」
桜、シュンと俯く。
景義、慌てて走ってくる。
景義「姫様! 勝手スル、イクナイ! 私、商人、イッパイ謝ッタ!」
桜「む、すまなかった」
ユキカ「……ここは早々に移動した方がよろしいかしらね?」
オンラード「……そうですね」
※ ※ ※
仕立屋や靴屋などが並ぶ職人街。
桜、鍛冶職人の仕事に夢中で見入る。
桜「すごい! すごいな! もっともっと近くで……」
景義「(焦って)危ナイデス!」
景義、職人に近づこうとする桜の腕をガシッと掴む。
桜「よいだろう、ケチケチするな」
景義「ケチ違ウマス! 危険!」
桜「心配するな。職人たちの邪魔はしない」
景義「ソレ、問題、違ウ! 私、姫様、傷ツク、嫌! ダカラ、ダメ、デス!」
桜「(景義に向き)へ?」
景義「エ?」
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