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仕事として実家の店に立ち、客に対する看板娘で居る事さえこなすナナクは器量が良い。彼女はカイリの余りにも流れるような自然な仕草と言動から、彼の過去をそう推察してみせたのだ。
「え!?」
カイリが驚いたのはそれが図星だったからに他ならない。
「いいよ、盛んな年頃だし他の女とも遊んでても。カイリは男の子だもんね?」
ナナクは悪戯っぽく目を細めて言ったが、その眼光は鋭い。お姉さんぶるかのように年の事を口にしたが、ナナクもカイリと同じ年の生まれで十七歳である。
「い、いや、だからってここはそんなに安っぽい場所じゃないんだぞ!」
「ふぅん?」
カイリが変に嘘を付かなかった事は内心評価をしながら、ナナクは探る目線へと移行する。
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