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「ちょっと、神さま?なんで自分はまたここにいるんですか?」
「知らん。私は命のろうそくを渡すだけだ」
いつものように、自分の担当の神さまは命のろうそくを差し出してきた。
あ!
いつものと言うのは、ここにいる神さまが1人ではないからです。
神さまは複数いて、それぞれが担当するたましいが決まっています。
なので、私の担当の神さまは、目の前にいるこの神さまです。
「な!ちょっ!なんですか、この命のろうそくはっ!」
「細くて、短くて、すぐに消えそうだ」
神さまは、神さまらしくない笑みを浮かべてました。
この命のろうそくでは、あっという間に一生を終えてしまうだろう。
「悪行起こす暇もあるまい?これで浄化は決定だな」
確かにそうだ。
だけどそれならなぜ、もっと前にこのような命のろうそくを渡さなかったのか。
記憶にないだけで、自分はこのような命のろうそくでさえも、悪行を起こしていたのだろうか。
「もうここに来るなよ?」
神さまは笑みを消すことは無かった。
この笑顔が、自分が見た神さまの最後だった。
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