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海の近い町に生まれ育ち、高校二年生の時に自分の能力限界を感じて小学生の頃からやっていたサッカー部を退部した。
毎日がいきなり暇になりとりあえずバイトを始め、(勉強という選択肢はまったくなかった。)ずっと運動部で過ごしてきたものにとって自由になる時間とお金は何よりも魅力的で近所の居酒屋とガソリンスタンドのバイトを掛け持ちしバイト代で免許を取りバイクを買い行動範囲が広がり終電や終バスの時間も気にしなくなったので夜遊びが増えるようになったのは必然である。
何時にお開きになっても帰れるのは心の持ちようが違うのと母子家庭で自分の仕事に忙しく子育ては放任主義の母の元に育った息子は勉強することなく自堕落な高校生活に明け暮れるようになっていった。
他の高校の友達も増え、まったく違うスクールライフにカルチャーショックを受けながらも毎日を楽しんでいるなかなんとかギリギリの赤点なしで期末テストを乗り切り夏休に突入した。今までは夏と言えば部活。照りつける太陽のもと紫外線を気にすることもなく朝から晩までサッカーボールを蹴り続けていたのが嘘のような夏休みが訪れた。
バイトのない日はカラオケや飲み会(未成年ではあるが)、海に行きBBQと最初のうちは新鮮な日々を過ごしていたが毎日となると食傷気味となってきており、そんな時バイト友達の武士の家に集まったとき武の女友達も交え盛り上がっていた時多少の酒も入り夜も更けてきたときに武士の友達の雄二が
「なぁ、肝試しにいかないか。」
と言い出した。
正直怖いものは苦手だったが初対面の女子の手前臆病者と思われたくはない。
バイクにより行動範囲の広がった高校生にとってカラオケや飲み会に飽き始めた高校生にとってお約束とも言って良いことだが真夏の深夜で女子と一緒となればかっこつけないわけにはいかない。
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