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ATMに神降臨
「ああ、どうすりゃいいんだよ。これ」
俺は預金残高を見て頭を抱えた。金額の頭に横棒が一本余分についている。
こうなったの理由は自業自得だ。俺はいわゆる自腹レビュー系の動画を配信している。
順調に閲覧数を稼ぎ来月中には収益化できそうだ。
それで閲覧回数やチャンネル登録者を増やしたいばっかりに調子に乗り過ぎた。
「チョーっとよろしいですか?」
トントンと肩を叩かれて俺は現実に復帰した。紅毛碧眼の男性がにこやかに微笑んでいる。ゆったりとした白い布のようなものを首から下にまきつけている
。
「あー。エクスキューズミー。アイアム、フィニッシュ、スーン」
俺は適当な英語を並べて端末を譲った。
「貴方の母国語でOKですよ」
彼は流ちょうな日本語で返した。
「あ、とにかくすみません。つい感傷に浸ってしまって」
俺は通帳や請求書の束をひっつかんで退散しようとした。
すると、彼は手をひらひらと振った。
「いえいえ。用があるのは貴方の口座です」
「へ?」
「もう一度記帳してみなさい。貴方の悩みを解決してあげましょう」
「はぁ?」
「いいから。私は神です。悪いようにしません」
何言ってんだこいつと思いつつ、俺は言われるままに通帳を突っ込んだ。
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