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まあ、いいやとこれ以上の質問を諦める。 「将晴は何をしていたんだ?学校は夏休みというやつで無いのだろう?」 なつが俺の自転車のカゴに両手を置きながら訊いてきた。 「バイトだよ」 「ばいと?…何だそれは?」 ちんぷんかんぷんだと言わんばかりの表情に答え方が雑だったと反省する。 「…働いてきたんだよ。夏休みは学校が無くて時間があるから、働いてお金を貰うんだよ」 「そうなのか。お金を貰うことはともかく、働くことは偉いことだぞ」 なつは偉そうに言いながら頷いた。 いまいち伝わっていない気がするがまあいいやと納得する。 その時、急に車のクラクションが聞こえてきた。 少し驚いて、そのクラクションが聞こえてきた方へと視線を向ける。 すると俺の驚きは倍増していった。 「何だあれは?」 なつの声が後ろから聞こえるも頭に入ってこない。 何故なら今の俺にそんな余裕なんてないからだ。 俺の視線の先には一台の白い軽自動車が停まっていた。
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