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ごくりと唾を飲み込むアルマ。
と、ドタドタと足音が聞こえることに
気づくアルマ。
入り口の扉が音を立てて開き、ムジャ
ダヒト・ハッカイードが現れる(34)。
ムジャダヒト「お前たち、何馬鹿なことをやっ
てるんだ!」
部屋の中央でアルマを抱きしめ、無理
やり頭を撫でている四人の兄と、され
るがままのアルマがムジャダヒトを見る。
ファルコ、アルマの頭を撫でながら、
エル「だってぇ、ムジャダヒト兄さん。可愛
い可愛い末っ子が、遠く離れたパレリの大
学に行ってしまうんですよ。今別れを惜し
まなくていつ惜しむのです」
アルマ「で、でも休みには帰ってきますから、
ファルコ兄さん。馬を飛ばせばひと月もか
からないし」
エル、アルマの手をとる。
エル「アルマ、今からでも大学へ行くのを考
え直してはどうです?」
アルマ「エ、エル兄さん」
ファルコ「教師になんてならず、このリフィ
レンツェで今まで通りみんなで一緒に暮ら
しましょうよ」
コンラッド「だったら俺の店で一緒に帽子職
人の修行をしよう!」
ブルーノ「おい、コンラッド! アルマをあ
んな狭苦しい工房に押し込めるな! アル
マは俺と薬の調剤をするんだ」
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