第1話「旅立ち」(シナリオ)

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 必ずや兄さんのような立派な教師になって  みせます」 ◯同・ラーラの部屋    ベッドの上に座り、手紙を書いている    ラーラ・ハッカイード(14)。ノックの    音がする。 アルマの声「ラーラ、入ってもいい?」    ラーラ、折った便箋とインク瓶と羽根    ペンを布団の下に隠し、 ラーラ「ええ、どうぞ」    アルマが入ってくるなり、クスクス笑    うラーラ。 アルマ「なに?」 ラーラ「聞こえてたわよ、さっきの大騒ぎ。  本当に叔父様たちってアルマのことが大好  きね」    アルマ、ラーラのベッド脇の椅子にど    かっと座りながら、 アルマ「半分はからかわれてるだけさ。それ  より、調子はどう?」 ラーラ「今日は朝からいい感じ。お祈りが神  様に届いたのね」 アルマ「ならよかった。ラーラの病気のこと  だけが気がかりだからさ」    ラーラ、アルマをじっと見つめる。 ラーラ「……ねえ、アルマ。本当にパレリに  行っちゃうの?」 アルマ「え?」 ラーラ「教師が向いてないって言ってるんじゃ  ないのよ。アルマは勉強が得意だから、大  学の勉強だってついていけると思う。でも……」 アルマ「でも?」 ラーラ「本当にそれでいいの?」    アルマを見つめるラーラ。     
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