7話 フランダースの犬

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すると突然、発作に見舞われた。「うっ!くうっ!」僕は、救急車を呼ぼうと手を伸ばしたが、電話に手が届かない。駄目だ。力が入らない。 パトラッシュ、僕は先に行くよ。今までありがとうな。遠のく意識の中で、パトラッシュが立ち上がっていた。そして意識がなくなった。 目が覚めると病室だった。何とか一命を取り留めたようだ。近所のキヨコさんが顔を出した。 彼女は僕より5つ下だ。 「良かったよ。無事で」キヨコは胸を撫で下ろした。「あなたが僕を?」とお礼を言おうとした時 「パトちゃんのお陰だよ。本当に」とキヨコが言った。 パトラッシュは、よれよれの体を引きずって、近所を何軒も走り回ったそうだ。その時、たまたまキヨコが居合わせて、119番したという訳だ。 「じゃあパトラッシュが…」 動き回れる体じゃ無かったのに。 僕は、年甲斐もなく泣いていた。 「パトちゃんは、私ん家で面倒見てるから、ゆっくり治して帰っておいで」 キヨコはバンと自分の胸を叩き、1人でむせていた。 ありがとう、キヨコさん。 ありがとう、パトラッシュ。 退院して、パトラッシュとの生活がまた始まった。 今度は、ぼくがお前を助けるからな。 パトラッシュの顔を見つめながら、体をさすった。 パトラッシュは気持ちよさそうに、ただ目を閉じていた。 終わり
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