9話 人生罰ゲーム

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9話 人生罰ゲーム

今日はお父さんの昇進祝いで、お母さんがご馳走を作っている。僕とお姉ちゃんは、部屋の飾り付けだ。「ツヨシ、あんた物置から紙テープ取ってきて」と姉のミカは命令口調だ。 「ちぇっ、何だよ。自分で行けばいいじゃん」と僕が膨れてると「手が離せないからいってるの!もう5年生なんだから、ぶつぶつ言わないの」とミカは早口でまくし立てた。 自分もこの前まで、中学生だったくせに。 5年生は、ぶつぶつ言ってはいけないのか? 僕は渋々、物置へ向かった。 すると何やら、古いゲームが出て来た。 人生ゲーム?「へえ、面白そうだな」僕は誇りを叩いて、部屋に持ち込んだ。 そして家族4人、ご馳走を食べながら、色んな話で盛り上がった。デザートのケーキを食べ終わると 「ねえ、皆んなでゲームやろうよ」僕が切り出した。「何のゲームよ?」とミカが聞いた。 「これさ、物置で見つけたんだ!」僕はゲームをテーブルの上に置いた。 「へえ、こんなのあったんだ」とお父さん。 「懐かしいわねえ。でもこんなの、家にあったっけ?」とお母さん。 「人生ゲームねえ。レトロでいいんじゃない。でもリアルって書いてあるけど」とお姉ちゃん。 僕は、レトロもリアルも分からなかったが、箱から出してセッティングした。 「じゃあ先ず、お父さんから」僕が言うと 「よおし」お父さんが嬉しそうに、ルーレットを回し、コマを4つ進めた。 " 昇進祝い。部下からプレゼント " と書いてあった。 「え?」とお父さんが声を上げた。 「どうしたの?」とお母さんが聞くと 「偶然かな?今日、部下からノート型のタブレットを、プレゼントされたんだよ」お父さんは応えた。 「へえ、凄いわね。女からだったりして」とお母さんが、冗談ぽく言うと「ば、馬鹿言うなよ。男に決まってるだろ、な?」とお父さんは、僕に聞いて来た。そんなの知らないよ。 「じゃあ、次はお母さんね」と勢いよくルーレットを回した。
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