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7だ!ラッキー7だった。僕はコマを進めた。
" 大失敗、家族の大切な物を壊す " と書いてあった。
僕は頭を抱えた。すると突然、3人は部屋を飛び出した。お母さんは、寝室にある十何万もする美顔器のセットを前に「よかったあ、無事だったわ」と胸を撫で下ろし、お姉ちゃんは、高級なバッグを舐め回す様に「どこも傷つけてないでしょうね!」と確認している。
すると廊下から「ああーっ!」とお父さんの悲痛な叫びが。そして、曲がったゴルフクラブを抱えて戻ってきた。
「つ、ツヨシ、何だこれは!どうして俺なんだ?」
お父さんは、真っ青だった。
「ごめんよ、お父さん。庭の木の上に引っかかったボールを取ろうと思って。丁度いいのがあったから」僕はぽりぽり頭をかいた。
「お前らは、本当に寄ってたかって…」とお父さんは、今度は顔を真っ赤にさせた。
「こ、このゲームが悪いのよ!」とお母さん。
「そうよ、何かおかしいわよ、これ」とお姉ちゃん。「僕が見つけたから…ごめんなさい」僕はついでに謝った。
「いや、ゲームのせいじゃない!実際に起こったじゃないか。きっと心の中で、悪いと思った事をゲームが教えてくれているんだ。心の鏡なんだよ!」
お父さんは熱弁して、バンッ!とゲームを叩いた。
すると、ルーレットが回った。
「あら?次はお父さんだったわね」とミカが勝手にコマを進めた。
" 2人の秘め事、メールに注意 " となっていた。
「え?」お父さんが、ゲームを覗き込んだ時、携帯が鳴った。
「お父さん、電話だよ」ミカが言った。
「あ、ああ。きっと会社からだよ。ほっといて大丈夫さ」と、やけにそわそわしている。
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