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「こんな時間に?」とお母さん。
「まあ、色々あるんだよ」電話が切れてしばらくすると、今度はメールを知らせる音が鳴った。
「メールだよね?」お母さんとミカが、同時にお父さんを睨んだ。
「まあ、後で見るよ。さ、さあ風呂にでも入るかな」と背伸びして部屋を出ようとすると「何で風呂場に携帯を持って行くわけ?」お母さんが目を細めていた。
そしてまた、携帯のメールが鳴った。お父さんが気を取られた隙に、お母さんが携帯を取り上げた。
「あっ!やめろ、見るな!卑怯だぞ」お父さんが、わあわあ言っている。
「仕事なんでしょ?だったらいいじゃない」
そしてお母さんは、メールを開いた。
" 昨日はご馳走さま。今日は家族サービスですよね。会えないのは寂しいけど、仕方ないよね。タブレット気に入ってもらえました?2人の写真も、入れておいて下さいよ。また来週、楽しみにしています。
おやすみなさい。ミサコより。"
" PS、係長昇進おめでとう "
「あなた、タブレットのプレゼントって、確か男からだっわよね?」
「いや、あれ?女だったかな?男の様な気も…」
お父さんは、後ずさりしながら言い訳していた。
「何?2人の秘め事?浮気してるって事なんだ。はーん」お母さんは切れかけている。
「違う違う、誤解だって!何もしてないよ。食事しただけだって。それに、たかがゲームじゃないか」
「心の鏡だって言ったの、あんたでしょうが!」
昇進祝いが、修羅場に変わっていた。
ミカがぼそりと言った。
「これでピアスもゴルフクラブも、チャラのようね」
ミサコさん。ありがとう。
終わり
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