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私は宇宙警察である。遠い星から、地球を守るために派遣されて来た。
普段は地球人に紛れて生活をしている。しかし悪がはびこる時、私の鉄拳が炸裂する。
「きゃあ!」早速事件だ。女性が悪に絡まれていた。
「やめて下さい!」女性が男の手を振り払った。
「何だよ。いいじゃん、少しだけ付き合ってよ」と痩せた男はしつこく言い寄った。
「やめなさい!嫌がって…ぐわっ!」私はいきなり腹を蹴られて、お尻もついでに蹴られた。
「うるさいおっさんだな。何だか白けちまったぜ」男はそう言って、立ち去っていった。
「あのう、大丈夫ですか?」屈み込む私に、女性が心配そうに言った。
「何々、大丈夫だよ。ちょっと不意を突かれただけさ。いつもは私の鉄拳が炸裂するんだが、あんなか細い相手じゃ可哀想だからね。本当は…」
振り向いたら、女性は既にいなかった。
すると、また声がした。
小さな男の子が、女の子の人形を取ろうとしていた。何だ、子供か。
「僕、駄目だよ。そんな事し…ぐはっ!」
水鉄砲を目にかけられ、足を思いっきり踏まれた。
そして子供らは、はしゃいで何処かに走って行った。「ううっ、目が…」
目が見えず、手を宙に泳がせていると、何かに触った。
「きゃー!変態!」私は、女性が持っていた日傘で、死ぬほど殴られた。
私は悪くないんです。本当です。心の中で、そう呟いた。
くそ!あー腹が立つ!鉄拳がうずうずして来た。
すると「泥棒だー!」と叫ぶ声が聞こえた。
向こうから、鞄を抱えた男が走って来るではないか。やったー!とうとう鉄拳を、お見舞いする時が来たようだ。
私は足をちょんと出した。すると男は、転んで鞄を手から離した。
「この野郎!」鉄拳が炸裂した。
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