プロローグ

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プロローグ

「今も宇宙では、あらゆる星が生まれては消えていってる。じゃあ、私たちがいるこの星も、今この瞬間に消えて無くなるかも知れない。それならここは世界の果てかもしれない…そう思わない?」 そう語る彼女の足元を、ただ、規則的に寄せては返す波が濡らす。 わざとらしいほどに青い空と、その下で広がるゆっくりと凪いだ海を見つめて。 その背を、ただ見つめて、砂浜が反射する夏の日差しの暑さを皮膚で感じるだけの僕には、彼女がどんな表情をしてるのかも分からなくて。二、三度鼻の頭をかいた。 「この星が自壊するほどの爆発をする確率はほとんど零に近いよ。もしそんな瞬間が訪れるとしても、それはうんと先の、僕らがもういない世界の話だよ」 そんな僕の声はふらふらと方向性の無い紙飛行機のように宙を舞い、どこにも着地する事は無く生暖かい季節の湿気に消えていく。 見渡す限り青色の水平線は、それを遮蔽するものなど何もなく、どこにも隠れられないぞ。そんな風に言われてるようで。 どうしようもなく僕らの距離が遠く感じたけど、それは大凡、歩幅4歩半の距離でしかなくて、なんでも無いほど近く、どうしようもなく遠い、夏の星座を見てるようだった。
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