1章・上

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特別仲の良い友達もいなければ、野球チームにも入ってないので、どうすればいいのかもわからず、ただ何と無く広い公園の広場をウロウロしていると、数人の同世代の子供がキャッチボールをしていたんだ。 それを漠然と見つめているの僕に気づいたのか、件の彼らの方から歩み寄って来た。 どうやら混ぜてくれるようで、初めてながらも気持ちが高揚したのを覚えている。 しかし、元来運動音痴な僕が、そのままうまくいくはずもなく、少年たちは次第に僕を煙たがり始めた。 何度めか分からないキャッチミスと、見当違いな暴投に耐えかねたのか、恐らくリーダー格であろう体格のいい少年が僕に歩み寄ると、力強く突き飛ばしてきたた。 それが皮切りのように、周りの子供達も冷めた目で後ろから見下ろしているのが見え、この群れでは自分は生きられないんだと悟ったんだ。 それから僕は遠くに飛んだ球を拾うだけの係で野球を日が暮れるまでやらされた。
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