第1話、未莉先輩が消えた!?

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 「ありがとうござい……」  「ます?」  お礼を言おうとした渉夢たちでしたが、表情が固まってしまいます。先ほど、声を掛けてきた者が首の長いキリンだったからです。  「いいえ」  体長もかなり大きなキリンは長い首をおろし、渉夢たちを乗せようとしてくれます。  彼女たちが慎重にキリンの上に乗ると、キリンはゆっくりと首を上げました。  「あ、歌っている人たちがよく見える!」  渉夢はキリンの背中につかまりながら、上から歌手たちを見ます。歌手は7人で歌っていました。  「キリンさんに感謝ね」  クログーはキリンの頭の上からステージを見ています。  「あなたたち、わたしが怖くないのですね。この辺の人たちなんか、みんな、わたしを怖がるのですよ」  キリンは渉夢たちを乗せたままの姿勢で声を掛けました。  「そうなんだ。最初はびっくりしたけど、キリンさん、怖くないよ。君ほど体は大きくないけど地球にもキリンっているし」  と、渉夢が言うと、  「あなたたち、地球から来たの?」  キリンは尋ねます。  「うん」  「そうよ」  渉夢とクログーが答えたあと、キリンはにやっと笑い、いきなり、動き出しました。   
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