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「あ、あの、キリンさん、どこ行くの?」
と、渉夢は質問しながら、キリンは7人の歌手たちのステージを滅茶苦茶にしてしまうのではないかと、考えてしまいます。渉夢が真っ青な表情になっていると、
「渉夢、あなたが何を考えているのか知らないけど、キリンさんはあたしたちをあの7人の歌手たちに会わせようとしてくれているみたいよ」
クログーが、キリンの頭の上から彼女を見て言いました。
「え、そうなの。でも、ライブの邪魔になるんじゃ……」
「そんなことありませんよ。わたしはピースたちの路上ライブ関係者なのだから」
「うそ……」
「本当です。スタッフです」
「キリンさん、スタッフさんだったの!?」
「キリンさん、ピースって誰なの?」
クログーがここで質問します。
「ああね、ピースは、ほら、センターで1番に目立ってる子」
キリンが答えたことで、ピースがどの歌手か渉夢たちは解りました。
黒のジャケットにズボン、白のシャツに、首に全音符のペンダントをかけ、両手に黒のリストバンドを付け、片手にマイクを持つ金髪のベリーショートの男性です。
その男性は渉夢たちの方を見て、にこっとしました。渉夢はピースの笑顔がまぶしく、キリンの背中に顔を埋めます。
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