世界が終わる

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両親に嘘をつかれている。俺に煙草の火を押し付けるのは躾であって虐待ではないと。そんな躾があってたまるか。悲しいまでに粗末な嘘だ。こんな日常、こんな世界、終わってしまえと切に願っている。 朗報だ。世界が終わる。無数の隕石が降り注ぎ始めた。なんて奇麗な終わりだろう。近くにいた母娘の会話が聞こえた。「せかい、おわるの?おめめがさめたらママ、いないの?」「……あなたが眠って目が覚めても隣にいるわ。変わらない日常よ。だからおやすみなさい」 『変わらない日常』はゴメンだけど、どうせなら親にはそんな嘘をついてほしかっ
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