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彼女の最後の握手会というその日。
ご主人様は、部屋の壁に貼られたポスターを思い詰めた顔で長い間じっと見つめてから出掛けました。
落ち着いていられなかったのでしょう。部屋のTVはスイッチを切り忘れ、付けっぱなしのままでした。
私は……ご主人様が心配で、見ていられなくて、もう胸が張り裂けそうでした。
そんな私の視線に気が付いたのでしょうか、ご主人様は部屋の隅にうずくまった私と目が合うとぎこちない笑顔を作ってくれて。
そして、部屋を出てゆきました。
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