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…っ、神様!
私は走る。
とにかく走る。
ゼエゼエと情けない息継ぎに、疲れて段々と下がる肘。
この長い石段を登れば、神様がいる。
大丈夫、きっと、苦しい分だけ、長い地獄を生き抜いた分だけ…。
救われる。
重い太もも、重い足の裏。
カラカラで痛くなる喉なのに滴る汗。
もう一段、もう一段と駆ける。
あと少し。
石段の終わりが見える。
光射す上部に、暗く滑りやすい石段さえ一段一段昇る喜びを感じる。
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