1人が本棚に入れています
本棚に追加
だが、それももう終わりだ。
この石段を昇った先に。
この光射す場所に行けば、天国だ。
百年くらい前に聞いた腐った死者に聞いたら、そう言っていた。
いつかは報われる。
神様は慈悲深く、どんな者も見捨てないと。
私の知っている話も確かそうだった。
お経を唱えれば、全部がチャラになるって。
だからきっと、苦しんだ遠い年月の分だけ、天国で生きていける。
ははっ、死んでいるのだから生きていけるとは変か。
嬉しすぎて、自分でもおかしくなっているようだ。
「…あと一段っ!」
やった…!
ほら、信じるものは報われる。
最初のコメントを投稿しよう!