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あれ?
頂上に両足を着けて、辺りを見回す。
何も、ない?
…そうか、天国の入り口だからか。
ほら、思っていた通りもう苦しくない。
腕も腿も重くないし、喉も渇いていない。
ほら…、何もない。
自分の肉も…ない。
おかしいな。
ここは天国だろ?
神様。
神様はどこだ?
私だよ、私。
私が来たんだよ?
恵んで、労って、施してくれよ。
「ひひっ、騙されてやんの」
「おまっ、言うなよー、もっとあのアホ面見ていたかったのに」
どこからか声がする。
私の骨を犬のようにかじりつく。
神様…。
騙された方が悪いなんて、そんなの嘘ですよね?
終
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