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どれだけ証拠を作ったとしても、それが真実ではない以上、何かの拍子に嘘だったとバレてしまう可能性はないとは言い切れない。 でも、バレる可能性があるイコール嘘はいけない、と言うには些か早すぎるだろう。前提が足りない。 私がその前提に思い当たっていないのを見抜いてか(こっちには全然見向きもしないくせに!)、彼は息を吐き出すついでみたいにまた笑った。 「まだまだ感情移入がなってねぇなぁ。バレたらおじいさんはどう思う?真実を知っちまったら、そりゃあ悲しむわ。でもそれだけじゃない。嘘をつかれたことにも多少傷付くだろ」 「……たとえおじいさんのことを思ってついた嘘でも?」 「きっとな。それが嘘だと気づいても傷付かない嘘なんて、そんなもん楽しいサプライズか何かの類でしかないだろ」 そういうものだろうか。 「それに、傷付くのはじいさんだけじゃねぇんじゃねぇの?」 …………息子夫婦。 嘘がいつバレてしまうかと思うと相当気を張らないといけないだろうし、そもそもバレるバレないに関係なく、おじいさんに本当のことを言えないということはどうしようもなく辛い。嘘をつくその後ろめたさは、この先息子夫婦にとって一生の後悔にもなりえてしまう。 しかし、伝える側の気持ちまで考えないといけないと言うのか。 そんなの。そんなのなんて。 「どうしようもないじゃない」     
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