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「さぁなぁ」
…………はい?
「どうすればいいんだろーな」
「……あなたは知っているんじゃないの?」
「ん?」
「どう伝えるべきか!その答えを!」
教室の外から聞こえていた、管楽器や運動部員たちの奏でる放課後のメロディを一瞬遮るほどの大きな音だった。気づいたら私は両手で机を叩きつけていたのだ。
でも彼は、突然交ざった騒音に動じる様子もないようだった。シャーペンを持たない方の手で頬杖をついて彼は答えた。
「知るわけないだろ」
あまりにそっけない回答だった。
「じゃあなんで。何でそんな事私に聞いたのよ」
「そりゃあお前。知りたかったからに決まってんだろ。いいんちょーの考えをよ」
私の考え。
`べきか´なんて聞き方するから、`こうするべき´という解答があるものだと思ったじゃないか。それが一般的な答えであれ、問題制作者がこうと決めた答えであれ。
考えならある。というか、こうして彼と話をしている内にできた。
「そう。じゃあよく聞きなさい」
私は大きく息を吸った。
「どう伝えようが、どう伝えられようが、結局はその人達がどう思うかよ。私が知ったこっちゃないわ!精々、今の私と同じように悩めばいい!」
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