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乖離したり
剥離したり
どこかの底に置き忘れてしまったような
自分のせいだね
赦してとか可笑しいね
「調子はどうだい?」
「こっちの水は苦いよ」
足元を侵蝕
水芭蕉を濁らせる
もう全部忘れて
真似ようにも
曇り空では見えなくて
あえなく諦めた
水面に映るのは
惨めな黒い影
「最近どうだい?」
「そっちの水は甘いの?」
問い損ねた辞
汚泥に沈んで消える
妄執にも似ていて
持っていたって使えないんじゃ
意味ないんだよ
こんな汚れた水で
生きていける訳がないのと
同じように
願いたいのにな
曇り空では仕方無い
その昔 手放した
最早その彩でさえ
忘れた淡い光
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