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コーヒーの入ったマグカップを差し出すと、ヤツは首を横に振った。
「たしかお前、コーヒー好きだったよな? もしかして、体調が悪いとか?」
俺のその言葉にも、首を横に振る。
そのとき、言いようのない不安が俺を包み込んだ。
ヤツの目は、一切光を宿していなかった。
黒くて大きな瞳はまるで、俺を吸い込もうとするブラックホールのようだ。
「何かあったのか?」
俺のその言葉で、ヤツの目の焦点が俺に合わさる。
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