秘密

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「今日が何日か、君は覚えてる?」  不意に、ヤツの形のいい唇が言葉を紡ぐ。 「俺とお前が出会って4年目、だろ?」  昨日自分で言っていたじゃないか、俺がそう付け加えると、ヤツは小さく頷いた。 「だけどそれ以外にも、何かあるんじゃないかなって思うんだ……」  ヤツの目には、何かを探るような色が表れていた。 「……一体、何が言いたい」 「君には、何か心当たりが無いかなと思ってね」  ヤツは――何かを確信している様子だった。
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