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ヤツは急に立ち上がると自分の部屋へと戻っていった。
残された俺は、まるで処刑を待つ囚人のような心持ちだった。
不気味な静寂、それは数分の間だったが、一時間ほどの長さにも感じられた。
ヤツはコンビニの袋を持って、戻ってきた。
椅子に座ると、袋からココアを取り出して、その紙パックにストローを刺す。
「思い出さない? このココア」
そう言われて、俺は紙パックを凝視する。
「懐かしいな。俺が高校生ぐらいのときに、よく飲んでいた友人がいたな」
「その子、今も元気なの?」
「確か、亡くなったって聞いたけどな」
ふうん、ヤツはそう言って、ココアを一口吸った。
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