箱庭の純愛

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「―――どしたの朝から憂鬱そうな溜め息ついて」 ボンヤリとスマホを眺めてたら、隣に座ったリサちゃんが声を掛けて来た。 リサちゃんは同期で入社した2人の内の1人。 社内恋愛禁止の職場ではないため、私と彼……いや元カレの関係はもちろんリサちゃんも知っている。 「う……ん、ちょっとね」 「何?何かあった?」 「…………」 「何、どうしたの」 「…………」 「え、もしかして……課長?」 スマホのホーム画面を見つめたまま何も言わない私に、ちょっとだけ声をひそめたリサちゃんがキャスターチェアーごと身体を寄せて来る。
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