箱庭の純愛

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実際、2人が私を「ミカちゃん」と親しげに呼んでくれるようになるまでには1年近く掛かったと思う。 そして、丁度その頃だった。 私と拓也さんが付き合う事になったのは。 同期の2人と会社を出てすぐ別れ、1人になった時だった。 何故か目の前に課長が……拓也さんが立っていた。 どうしてここにと首を傾げる私に、少しだけ顔を赤らめた課長は【俺と付き合ってくれませんか?】と、いつものように穏やかな口調で、仕事中には絶対に見せないだろうはにかんだ笑顔を浮かべた。 ………信じられなかった。 同期の3人で課長の素敵さについて盛り上がってたのは確かだったけど、もしも選ばれる事があるなら絶対に私以外だと思ってた。
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