第1話

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放課後。 僕は一直線にある場所へ向かった。 『第二音楽室』と札に書かれている部屋のドアを開ける。 「失礼します……」 シン、と不気味なほどに静まり返ったこの部屋にはもちろん誰もいない。 白い光が視界を遮る。塗り潰されそうなほどに眩しい。 「……つぅっ」 突如襲い来る吐き気を堪え、ピアノのカバーを開き、椅子に座る。 「ふぅ、はぁ、あ、はぁ」 楽譜を譜面台に置き、呼吸を整える。 鍵盤に指を添え、いざーーー
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