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……え?
突然の告白に頭が真っ白になる。
反応できずに呆然としていると、電話の向こうから「多田さん?」とさらに焦った声が聞こえてきた。
「ご、ごめん。言い訳みたいになるけど、俺……前から多田さんに告白しようと思ってたんだ。
だけどおじさんが事業で困ってるって聞いて、手伝えないか申し出したけど気を遣ってくれるから、そういうのなしで休んでほしくて、俺、多田さんが好きだって言っちゃって。
さっきお見舞いに行ったら、俺が手助けを申し出たことを多田さんに話をしたって言われて、俺焦って……」
それを聞いて、やっとなんとなく話が見えてきた。
原田くんはお父さんに私が好きだって話をして、お父さんがそのことも私に話したと思っているから焦っているんだ。
「おじさん経由で多田さん好きだって伝わったんだと思うと、俺……居てもたっても居られなくて。本当ごめん」
原田くんの話を聞きながら、鼓動がすごく大きくなっている。
息もあがっているようで、私はひとつ深呼吸して原田くんに言った。
「……聞いてなかったよ。
お父さんには原田くんがお父さんの仕事助けたいって言ってくれていることしか」
「えっ」
「ほんとに……。それしか知らなかったんだ」
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