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部屋のベッドに寝転がって、溜息を吐く。
いったい私は、何のために埼玉まで行ったんだろう。
優くんが試合に勝って優勝することしか、頭になかった。
それで再会して、全てが上手くいくと思ってたのに……
いつも真っ直ぐに私を見つめていてくれた優くんが、初めて私から目を逸らした。
帰り際、中村さんから言われた言葉を思い出す。
『優作はさ、ミーコちゃんにかっこ悪いところ見られて、ショックだったんじゃないかな。男って繊細な癖にプライド高いし、好きな女の子には特にいいとこ見せたがるもんだからさ。
優作の気持ちが落ち着くまで、そっとしておいた方がいいんじゃないかな』
中村さんから優くんに会いに行くようにけしかけておきながら、そんなこと言うなんてズルい。
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