優くんなんてっ!!……大好き、なんだから。

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 青山さんのサーブから、試合が始まった。  お互いの気迫がぶつかり合うような試合の最中、私の胸は小刻みに震え、瞼の裏が熱くなっていた。  青谷さんは、中学の全国大会でも凄いと思ったけど、高校に入ってそのレベルを格段に上げた気がする。ネットギリギリを狙った優くんのヘアピンを難なく返し、その直後にバックラインぎりぎりに高く打ち抜いたクリアもすぐに追いつき、ジャンピングスマッシュでスパーンと勢い良く風を切り、力強く打ち返す。優くんもその重く鋭いスマッシュを大きく足を踏み込んで拾い、死角を狙って打ち返すものの、青山さんは優くんを上回る跳躍力とスピードで翻弄し、見る見る間に点差をつけていった。  こんな、ことって……  準決勝戦ではあれほど接戦だった試合を見せていた優くんが、決勝戦では同じ高校の同士に徹底的に攻撃され、反撃出来ずにいる。  歯痒い思いを抱えながらファーストゲームが終了し、優くんは5点しか獲ることが出来なかった。  セカンドゲームでも、優くんは必死に青山さんの攻撃に食らいつくものの、自分の流れに持っていけず、優くんの焦燥が肌を通して伝わってきた。ようやくポイントをとっても、なかなか連続して獲ることができない。    見ていてハラハラしどおしで、胃がきつく締め上げられてるみたいにキュウッと痛くなる。でも、試合に出てる優くんなんて、私が感じてるよりももっと辛いに違いないと思うと、目を逸らしたくなるような場面でも、じっと優くんを見つめ、祈り続けた。
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