春画絵師の神様

8/44
前へ
/44ページ
次へ
「美晴が僕に何を言いたがってるか解ってるよ」 「え?」 「だって顔に書いてあるじゃん」 「そう?」 「僕が妥協して生きる、つまらない男だと思ってるんでしょ?」 「え?そんな事ないよ」 「あはは。僕たち何年一緒にいると思ってるの?長いだろ?」 「うん」 「美晴はさ、大人しそうに見えるけど、芯がしっかりしてるからね。割りと頑固だし」 「ええ?」 「それに我儘だからね。お嬢様だしさ」 「ひどいわね。その言い方」 「だって、その通りだろ?それにイジられキャラだからさ。意地悪言われるのも嬉しいんだろ?」 「え?それはまあ」 「感じやすいしね」 そう言って鉄也は耳たぶを触ってきた。 「あ、こんなところで、やめてよ」 美晴は顔を赤くした。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加