1人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
落とし穴
おじいちゃんの家の庭先に、僕が掘った落とし穴。引っ掛かるのは誰だろう。
パパかな? ママかな? おじいちゃん? おばあちゃん? それとも犬のクロだろうか。
ドキドキしながら見ていたら、誰もいないのに落とし穴がへこんだ。
上にかぶせた土が重すぎたんだろうか。
気になって近づいたら、何かに思いっきり引っ張られたように耳が痛んだ。
どうやら今、誰か、落ちた人に叱られたみたい。
ごめんなさい! もうしません!
心の中で謝ったら、もうそれ以上おかしなことは起きなかった。
落とし穴なんて作るんじゃなかった。そしてこの先もう二度と作らない。
でもそれは、悪いことをしたと反省したからじゃなく、怖かったのと、引っ張られた耳が痛かったからだってことは内緒の話。
落とし穴…完
最初のコメントを投稿しよう!