叶えてあげます。貴方の願い

第1章 プロローグ

「大丈夫？」

彼女が尻餅をついた俺に手を差し伸べてくる。そんな彼女にありがとうと声をかけてから顔を上げ、息を飲んだ。

美しい。それ以外の言葉が思いつかなかった。

透き通るような白い肌と日の光を受けてキラキラと輝く長い黒髪。

最も俺が目を奪われたのは、全てを見通しているとでも言うかのような、底の見えない彼女の目。